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バンク・オブ・アメリカも海外から資本調達ができるだろう。
トップの十数行以下の銀行にはその可能性はまったくない。
これらの海外のSWFからの資本投入を望めない銀行は、圏内で資本を調達するしかないが、現時点でそれは極めて難しい。
なぜかと言うと、アメリカの銀行はみな同じ問題を抱えているからである。
すべての金融機関、おそらくヘッジファンドを含むさまざまな金融関係者がみな同じ問題に直面している。
資本が段損しているのが一行か二行で、他の金融機関やファンドが健全であれば、資本投入を受けられる可能性はあるが、全員が同じ問題を抱えてしまうと、おそらく誰も相手を助けられないであろう。
その証拠に、シティバンク以下、アメリカの銀行はみんなアラブ、中国、シンガポールへ行き、資本投入を要請している。
スイスのUBSも同様の行動を採っている。
これは金融が疲弊しきった欧米内では新たな資本調達が非常に難しいことの証拠と言えよう。
るかもしれない」と発言した。
中央銀行総裁の発言としては極めて不適切だが、ある意味であれは彼の本音だったから、つい口を衝いて出てしまったのであろう。
これまで問題にされてきたのは大手行ばかりであったが、これからは中小銀行の問題が噴出してくると思われる。
価格が暴落したサブプライム関連の金融商品を持っていた銀行は、そこで発生した損失から自己資本が大幅に段損してしまっている。
銀行は通常の業務をするためには、総資産に対して最低8%の自己資本を持っていなければならないのに、こうした損失のために自己資本比率がそれ以下に低下していたら、彼らは貸し出しを減らさなければならない。
ここから貸し渋りが発生するのである。
しかも、それや2行だけではなく、8533行が同時にやったら国中がクレジット・クランチに陥ってしまう。
全体で1・5ポイント、自己資本比率が低下すると予測している。
IMFは、それでも全体で見ればアメリカでもヨーロッパでも8%の自己資本規定はクリアされるとしているが、このことは貸し渋りが起きないことを意味しない。
銀行経営者が、当初8%以上の比率を維持していたということは、銀行の格付けや資金調達コストを考慮すると、その比率が最も好ましいと考えたからであり、それが今回の件で8%ぎりぎりまで下がってしまったら、彼らは当然比率を元の水準へ戻そうとするからだ。
彼らが戻ろうとすると、1997年10月以降の日本と同じ状況が再現されることになるのである。
当時の日本では、多くの大手銀行が自行の各支店に対して「半期に貸し出しを一割ずつ減らせ」という指示を出した。
そこからすさまじい貸し渋りが起きたことはみなさんのご記憶のとおりである。
日銀短観のなかにある「企業から見た金融機関の貸出態度」のグラフである。
つまり、借り手側が銀行をどう見ていたかということである。
日銀は昔から、大企業や中小企業を含めた全国一万社からこういうデータを集め、短観のなかで示していた。
銀行側がいくら側に尋ねれば、銀行サイドの貸出態度ははっきりする。
このグラフを見るかぎり、日本の銀行は97年の前半まではバブルの時と同じように積極的にお金を貸そうとしていたことがわかる。
もっとも当時の日本は「バランスシート不況」の渦中にあったから、企業はバランスシートの修復に必死で、借りようとはしなかったけれども、銀行側が貸そうとしていたのは事実である。
1997年の年初に、本総理大臣が財政再建路線を明確に打ち出したところから、内外の投資家による「日本売り」が始まり、円Eと株Eが同時進行した。
それまで日本株を買っていた多くの外国人投資家は日本経済が政府の財政出動で支えられているのを知っており、それが切られると知って慌てて日本から逃げ出したのである。
その結果、日本の銀行は自己資本比率の分母と分子の両方が悪化した。
株Eは分子を減らし、円Eは分母を増やしたからだ。
そのようななかで政府が97年10月に、国際取引を行う銀行は8%、囲内業務に特化した銀行は4%というBIS(国際決済銀行)の自己資本比率規制を98年の3月3十一日までに達成するよう指示を出した。
するととたんにすさまじい貸し渋りが起こったのである。
この97年10月以降の日本と同じような状況がこれからアメリカでも起こりかねないのである。
ヨーロッパでも起こる可能性がある。
すでにスペインでもイギリスでも、「これ以上住宅にお金は貸せない」と言って金融機関が手を引いてしまい、住宅バブルは崩壊している。
アメリカの住宅バブルは深刻だが、実はドイツを除くヨーロッパも同じ問題を抱えているのである。
イギリスの住宅価格は大幅に低下しているし、スペインもかなり悲惨な状態である。
一時、スペインは「経済がこのまま伸びていけばドイツを越す」などと鼻息が荒かったが、その経済成長のかなりの部分は住宅建設であった。
そのスペインの住宅価格はすでにピークから2割以上も下がっており、スペインでもこれから金融不安や貸し渋りの問題が出てくると思われる。
また、アメリカに話を戻せば、V議長が昨年末に議会証言をした時、ある議員がこう発言している。
「Vさん、あなたはまだ楽観的な経済見通しを立てているが、私自身、銀行へ住宅ローンを借りに行ったら貸してくれなかった」と。
アメリカの銀行では大きな窓のところに「現在の住宅ローン金利は何パーセント」と、貸出金利をペンキで書いている多いが、上院議員でさえ、そのレートではお金を貸してもらえず、その表示よりもかなり高い金利を払ってようやく貸してもらったという。
ということは、すでに貸し渋りは始まっているのである。
もう一つ気になるのは商業用不動産である。
商業用不動産は、建設が昨年前半からガタ落ちになってもGDPにはそれほど悪影響は出なかった。
建設というのは、それが住宅であれ商業用不動産であれ、必要な人材や資材には共通点が多い。
したがって個人住宅が不振でも商業用不動産の建設が活発であれば、業界全体の落ち込みはそれほど大きなものにならなくて済んだのである。
昨年の秋ごろから、商業用不動産にも資金が回らなくなってきて、売れ行きも新規建築もかなり減少し始めている。
今までは個人住宅のマイナスを商業用不動産が埋めていたわけだから、商業用不動産までおかしくなってしまったら、アメリカ経済はさらに厳しくなってくる。
同国ではO8年の年初から急に景気悪化を示す指標が増えてきたのも、それまで元気だった商業用不動産が勢いを失っていることが一因になっている。
アメリカで起きている不動産に対する貸し渋りの影響は日本にも出ている。
O7年前半までは好調だったJリート(日本版不動産投資信託)のマーケットが直撃を受けたのである。
そもそもJリート市場は外資が積極的に活用していたことで、外資に牽引される傾向の強いマーケットであった。
その外資が、サブプライム問題で蹟き、資金回収に回ったから、市場の勢いがパタリと止まってしまった。
Jリート市場が崩れた最大の理由である。
日本に問題があるから外資が引き揚げたのではなく、外資自身が資金を引き揚げざるを得なくなったので下落したのである。
これからもこのような形でアメリカの金融機関の貸し渋りの影響が世界各国の市場でも出てくることが予想されるのである。
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